カーンチープラム

January 01, 2008

さぁ、インドへ行こう!〜(39)5

デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple では、思わず老人の誘いに乗ってしまい、時間が経つのを忘れてしまった。

時計に目をやると、ちょうどバスに戻ろうとしていた時間だ。ここから急いで歩いても5分はかかる。老人に事情を話し、彼のガイドを打ち切りたかったが、どうしても最後まで説明したいという。

時計を気にしながら彼の話を最後まで聞く。彼も気を使ってくれて、駆け足でガイドを続ける。

ようやく最後になり、俺は彼に100ルピーのお礼を渡して、一目散にそこから離れた。彼も、“Hurry up!”と言って、俺を見送ってくれた。

“100ルピーとは奮発しすぎかなぁ・・・”と思ったが、彼の熱心なガイドに思わず差し出してしまった。

デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple 前のの目抜き通りに差し掛かると、遠くに俺の乗ってきた青いバスが見えた。“間に合った・・・”と思わず胸をなでおろし、元来た道をまっすぐに戻っていった。

バスに到着すると、中は誰も居ない。さっきのシルクショップにも、ツアー客は誰も居ない。“みんな、どこへ行ったんだ?”と思いながらも、まだバスが発射していないことに安心し、ジーンズのポケットからタバコを取り出した。

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バスの近くで停車していた車。今日は1月1日。インド流の注連縄(しめなわ)なのか??



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さぁ、インドへ行こう!〜(38)5

デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple では、巧みな老人の誘いに思わず乗ってしまい、どんどん彼のペースにはまり込んでしまった。彼は機嫌を良くし、次々と俺を案内する。

老人ではあるが、笑顔がとても可愛い。とても悪人とは思えない。俺を騙そうとしているのではなく、心底から、自分達の歴史文化財を外国人にわかってもらいたい、という純粋な気持ちからなのだろう。そうでなきゃ、その彼の表情は出てこないだろう。俺も、いつの間にか、心底から彼を信頼しきっていた。

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ブッダ Buddha もヴィシュヌ Vishnu 神の化身とされている

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ヒンドゥー寺院の彫刻は、このように艶かしいものも非常に多い。

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数百年前の時代に、このように何本もの石柱が並び立てられた

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またもや艶かしい彫刻が。いつの時代も、人間の性への欲求は抑えきれない

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この柱も、ひとつの岩から削りだされた

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細かく彫刻された部分も、欠けることなく現存していることも驚きに値する

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男性に寄り添い見上げる女性。この二人は結ばれたのだろうか・・・

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当時は、自動化された装置なんてない。どの石柱も手彫りで、同じものはひとつもない

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時代を問わず、インドではふくよかな女性が好まれる

ここ、デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple は、ヴィシュヌ Vishnu 神に捧げられている。一方、さっき訪れたシュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple はシヴァ Shiva 神に捧げられている。

ヴィシュヌ Vishnu 神とシヴァ Shiva 神は、額につけられているマークが違うことを彼に教わった。ヴィシュヌ Vishnu 神は縦に一本線、シヴァ Shiva 神は横に三本線。

また、シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple のシヴァ Shiva 神は、通称ビッグ・カーンチープラム Big Kanchipuram と言われる一方、デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple のヴィシュヌ Vishnu 神は、リトル・カーンチープラム Little Kanchipuram と言われているとのこと。この両方の寺院は、捧げられている神の違いから、よく並び称されることが多いようだ。



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さぁ、インドへ行こう!〜(37)5

他のツアー客がシルクショップで時間を費やしている間、俺は近くの寺院を一人で見学することにした。

ツアーバスで連れてこられたので、地図を見ても自分の居場所がわからない。よって、これから入ろうとする寺院がなんて所かもわからないが、気にせずゴープラムをくぐった。

寺院の中に入ると左側に、見事な彫刻が施されている柱が多数立てられている、広間らしき建造物が目に入った。

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多数の柱が、見事に彫刻されている

その方向に向かって歩き出そうとしたとき、一人の老人が俺に近寄ってきた。どうも、“ガイドをしてやるよ”と言っているようだ。

彼の申し出を無視していたが、俺と同じ方向に向かって歩き出す。どうも、あの建造物のガイドをしてやると言っているようだ。

彼から逃げるために他に行くのもバカらしいので、そのまままっすぐに歩くことにした。

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建造物の最も外側の柱。柱一本一本に彫刻が施されている

老人は、そそくさと建造物の中に入っていった。俺は、自分のペースで歩いていたが、彼はその建造物の上から、大きく手を振って俺に手招きをする。

彼の手招きで従ったわけではないが、たまたま俺が向かうところが、彼が案内する方向と同じだけだ。話しかけてきても、無視をし続ければいい。そう心に決めて、俺もこの建造物の中へ上がっていった。

無視をし続けるも、彼の言っている言葉が勝手に耳に入る。“全ての柱は、1つの岩から削られている・・・”との言葉に、思わず反応してしまった。“ひとつの岩から?”その俺の反応に気を良くしたのか、老人は次々と案内を始めていった。

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見事な彫刻に見惚れ、思わず老人の案内に反応してしまう

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どの柱も、ひとつの岩から削りだされている

ここのガイドに慣れた老人は、次へ次へを俺を案内する。写真をとる場所やアングルもアドバイスし、その手際の良さに思わず彼のペースに飲み込まれていった。さすがの俺も、彼の引き込む巧さに観念し、ここのガイドは彼に任せることにした。

“ここは、なんて寺院?”と聞いた。“デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple ”と答える。地図で確認してみると、カーンチープラム Kanchipuram の中心から南東に外れたところにある寺院だ。

デーヴァーラージャスワーミー寺院 Devarajaswami Temple は、ヴィジャヤナガル朝 Vijayanagar によって建立され、ヴィシュヌ Vishnu 神に捧げらている。

老人いわく、“ヴィシュヌ Vishnu 神は、10のストーリーを持っている。1.fish、2.turtle、3.pig、4.lion、5.small boy、6.Rama、7.Vamana、8.Krshna、9.Kalki、10.Buddha。それらが全て、ここに彫刻されている”と言って、ひとつの柱を指差した。(後でネットで調べてみたら、10のストーリーとは、10の化身のことのようだ。)

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ヴィシュヌ Vishnu 神の10の化身が柱に彫刻されている

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小さな彫刻で、ところどころ風化されており、原型がわかり難くなっているものもある

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老人のガイドがなければ、絶対に気づかなかっただろう



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さぁ、インドへ行こう!〜(36)5


ツアー客全員が朝食を終え、バスに戻ってきた。子供達も満足のいく笑顔で、それぞれの席に座った。

バスは動き出し、次の目的地に向かった。次は、どこだろう・・・それも、ガイドと運転手に委ねるしかない。俺は、最後尾の席で窓の外を眺めた。

次も、10分ぐらい走ったところでバスは停車した。どうやら、土産物屋のようだ。降りたくはなかったが、一人でバスの中に居残るのも退屈だ。仕方なく、みんなの後についていった。

そこは、シルクの町工場 兼 販売所だ。アジアのどの国へ旅しても、ツアーだと必ず連れて行かれるような所だ。

ツアー客は、熱心にシルクが編まれるところを見学しているが、俺は全く関心がない。一通りざっと見たところで、そそくさと外に出てきた。

ここでどれぐらい時間を費やすのだろう。しばらく待っていたが、どうもかなりの時間を使いそうな予感がした。バスの運転手に聞いてみると、30〜40分はここにいるだろうとのこと。

その間、ずっと待っていても仕方ない。店の前から、道路の先のほうを眺めてみると、大きなゴープラムが見えた。ヒンドゥー寺院だ。

彼らがショッピングをしている間、その寺院を見に行くことにしよう。運転手にその旨を告げ、俺は道の先に見えるゴープラムに向かって歩き出した。

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シルクの土産物屋の前から見るゴープラム

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道端に座り込み、バナナを売る女性

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出店で朝食を取る人々



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さぁ、インドへ行こう!〜(35)5

カーマークシ・アンマン寺院 Kamakshi Amman Temple は空振りに終わり、バスは再び動き出した。相変わらず訛りのきつい英語で、ガイドは次の行き先地を告げた。

朝食だ。この近くで、朝食を用意しているようだ。10分ほどバスは走り、とあるホテルの敷地内に入った。バスの扉が開き、ツアー客はこぞって降りていった。

俺も、みんなの後に着いて行き、そのホテルの一番奥側にあった食堂に入った。正方形の4人席テーブルが10卓ほどある。先に入った子供達が、それぞれのテーブルを陣取っている。

家族連れの中に、一人日本人が座っているのもおかしいだろう。俺は、その中でまだ誰も座っていないテーブルに向かった。

しばらくすると、3人の年配の方が俺のテーブルに座ってきた。気にせず、ロンプラに目をやる。すると、奥の部屋からホテルの人が、大きな銀色の皿を両手に持ってやってきた。

それぞれのテーブルに人数分の皿を置いていく。その上には、イドリーを代表に、南インドの代表的な料理が盛られている。

全員に皿が配られたところで、今度は大きな鍋を乗せた配膳台がやって来た。その配膳台を押すホテルのスタッフが、これもまた大きなオタマでその鍋からカリーを掬う。それぞれの皿に盛っていった。

何の特徴もない殺風景なホテルの中の食堂。期待はしていなかったが、これがなかなかイケる味だった。思わず、カリーのお代わりをお願いし、全てを食べ終わったころには、額にうっすらと汗がにじみ出ていた。

各人は、自分の食事が済むとばらばらに食堂を出て行く。俺も、同じテーブルの3人と同時に席を立ち、バスを停めている駐車場へ向かった。



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さぁ、インドへ行こう!〜(34)5

ガイドもツアー同行者もバスに戻ってくるのが見えた。すぐに俺もバスへ戻る。子供達がわいわいと騒ぎながらバスに乗り込んでいった。

次はどこへ行くのだろう。ツアーだから、行き先をガイドと運転手に委ねるしかない。ゆっくりと動き出したバスは、10分も走らないうちに再び停車した。ガイドがマイクを通して、みんなに降りるように伝えた。


カーンチープラム Kachipuram での第二の目的地。ここはどこだろう・・・

ここはどこだろうか・・・。まぁ、いい。とりあえずみんなに着いていこう。しかし、ここはさっきのシュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbarabathar Temple と違って、多くの人でごった返していた。

ぼやぼやしていると、今度はほんとに置いてけぼりをくらいそうだ。ここでは、とにかくガイドに着いていくしかない。しかし、慣れたガイドとツアー客は、ここでも足早に歩いていく。

ツアー一行は、ある寺院の入り口に到着する。ガイドの指示通りに、入り口脇でスニーカーを脱ぎ、少年に10ルピーを渡し、靴を預けた。

すると、その脇でどこか懐かしい雰囲気が漂う男女が立っていた。周りとは全く肌の色が違う二人。そう、見るからに東アジア人だ。すかさず、その女性が手に持っていた本に目をやると、“地球の歩き方 インド”と書いてある。

こんなところにいる日本人に会うとは思わなかった。珍しいのだろう。お互いが意識した。

“人、多いですね”と俺が話しかけた。女性が“そうですね”と返してきた。次の言葉をかけようとすると、そのカップルは、後ろから大勢の人の流れに押しやられてしまった。

女性は流されてながら、“あけましておめでとうございます”と言ってきた。俺も同じ言葉で返そうとしたが、その人の流れに押されて二人は俺の前から消えていった。

気を取り直し、寺院入り口前に戻る。その狭い入り口に向かって、非常に大勢の人々が並んでいた。その列の先頭の方が、一際騒がしい。どうやら、寺院の人ともめているようだ。

これだけの長蛇の列ならば仕方ないか・・・と思った途端、そのもめている連中の中に、俺が参加しているツアーガイドがいるのを発見した。その周りには、ツアー同行者もいる。

おそらくタミル語だろう、何を言っているのか全く判らないが、そのすごい剣幕からただならぬ雰囲気を感じ取れた。

10分ほど経っただろうか、そのガイドは体を翻して、ツアー客を引き連れてバスへ戻っていく。仕方ない、俺も着いていくしかない。少年に預けた靴を取り戻し、急いで彼らに着いていった。

“どうしたのか?”とガイドに聞こうとしたが、その表情はまだ強ばっている。とばっちりを食らうのも癪なので、ツアー同行者の一人に聞いてみた。

“今日は新年で、たくさんの人がこの寺院に来ている。中に入るのに1時間以上かかるらしい。彼はそんなに待てないと憤慨して交渉したが、どうも無理だったようだ”

日本であれば、無言で列の最後尾に並ぶのがマナーだが、ここインドではなんでも交渉に持ち込む。彼は、我々ツアー客のことを思ってそのような交渉をしてくれたのか、それとも自分個人の感情で喚き散らしたのかはわからない。とにかく、ここインドでは、よく見る光景だ。

そのツアー同行者に、“ここは何て寺院ですか?”と聞いた。“カーマークシ Kamakshi” と言う。ロンプラを広げ、確認すると、カーマークシ・アンマン寺院 Kamakshi Amman Temple。街のほぼ中心だ。


カーマークシ寺院 Kamakshi Temple

解説を読むと、“どんな願いを叶えてくれる女神カーマークシ Kamakshi に姿を変えたパールヴァティー Parvathi に捧げられている”とのこと。新年早々、どんな願いも叶えてくれる女神カーマークシ Kamakshi の寺院を参拝できないなんて、今年はどんな願いも叶わないのかも・・・と余計なことを考えてしまった。



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さぁ、インドへ行こう!〜(33)5

ツアーから離れ、独りでシュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbaranathar Temple を見て周った。先にバスが出てしまう心配もあり、少し早めにバスに戻ることにした。

来た道を戻り、寺院の入り口に停車しているバスを見つけた。どうやら、まだツアー同行者は戻ってきていないようだ。


シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbaranathar Temple 前の駐車場。左側の青と白のツートンのバスが、我々が乗ってきたバス

みんなが戻ってくるまで、バスの中で待っているのもバカらしい。彼らがバスに戻ってくるのが見える範囲内で、シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbaranathar Temple の前を通りを散策してみることにした。


寺院の前をまっすぐ伸びる大通り。両脇に何台ものバスが停車していた


バス駐車場にある土産物店


一仕事を終えたのか。空の荷車を引く牛たち


60メートルのゴープラムは、どこからでも見ることができ、目印になった



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さぁ、インドへ行こう!〜(32)5

シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple はシヴァ Shiva 神を祀っている。16世紀から17世紀にかけて、ヴィジャヤナガル朝 Vijayanagar 、パッラヴァ朝 Pallava 、チョーラ朝 Chola の時代に建造、増築されている。

シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple の名称の由来は、エーカ・アムラー・ナータ Eka Amra Nathar (マンゴーの王)であるという。実際に、樹齢3500年のマンゴーの木が生えており、4つのヴェーダを象徴する4本の枝が伸びている。

ガイドに案内されたツアー客は、ぞろぞろと神殿内に入っていく。案内に慣れたガイドは、次々と進んでいく。自分のペースで歩きたい俺は、気が付くとひとり取り残されてしまう。

最初のうちは、頑張ってみんなのペースに合わせてはいたが、「そんなに人も多くないし、同じツアーの人を何人か憶えていれば、すぐに見つけられるだろう。」と思い始めると、途端に我流の歩き方をしてしまった。

同行のツアー客は、シヴァ Shiva が祀ってある本堂に入っていく。ロンプラによると、そこはヒンドゥー教徒しか入れないようだ。しかし、仮にヒンドゥー教徒外が入れたとしても、俺はなぜか入る気がしなかった。

薄暗い室内の奥にシヴァ Shiva の石像が立っていた。ここインドのヒンドゥー教徒達が、神聖な気持ちでシヴァ Shiva 神に祈りを捧げている。不純な気持ちは全くなかったが、そんな場所にのこのこと異国人が見物するのも気が引けてしまった。俺は、その場から立ち去った。

ひとりで行動を開始し、同行のツアー客の姿も見えなくなった。少し不安になってきたが、「まぁ、そんなにすぐにはバスは発車しないだろう。10分ほどしてバスに戻れば大丈夫だろう。」と思い、そのまま巨大な回廊をひとりで歩き続けた。


ひんやりとした回廊には、数百本の柱が立てられている


回廊の脇には、本堂を囲むように136本のリンガ lingam が立てられている

 


樹齢3500年のマンゴーの木


マンゴーの木の下で、シヴァ Shiva とカーマークシ Kamakshi (パールバティ Parvathi )が結婚したという伝説がある


敷地内で間近に見るゴープラム


南インドの子供達は、カメラを向けると快くポーズをとってくれる



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さぁ、インドへ行こう!〜(31)5

バスは、細い裏路地をくねくねと上手に曲がりながら進む。座席から外を見ると、その細い裏路地にはたくさんの人々が行きかっている。バスとすれすれのところを揚々と歩いている。

ちょっとでもハンドル操作を間違えると、何人か引いてしまいそうだ。しかし、運転手も道行く人々も慣れたもので、そんな状態でも何も起こらない。

バスは、停車場らしき場所で停車し、ツアー客はぞろぞろとバスから降りた。俺も最後尾から、みんなに着いていった。

カーンチープラム Kanchipuram で、まず訪れたところは、シュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple だ。

このシュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple は、ここカーンチープラム Kachipuram で最も大きい寺院である。ゴープラムの高さは約60m。12haの敷地の周りに石の外壁が建てられている。


高さ60mのシュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple のゴープラム

バスが停車したすぐ傍に、入り口らしき門がある。その門の前には数軒の土産物屋がある。我々を見つけて売り込みにくるかと思ったが、誰も近づいてこない。ガイドはツアー客全員を連れて、シュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple の敷地内へ入っていった。


シュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple の入口前


敷地内に入ると、ゴープラムの高さに一際強い印象を受ける



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さぁ、インドへ行こう!〜(30)5

バスに乗り込み、俺は開いているシートに座った。暫くして、運転手が番号を呼び始める。番号を読み上げる度に、バスの中の人達が返事をする。“そっか、座席は指定なのか。俺は・・・”と思いながら、昨夜もらったチケットを見直した。

そこには、二桁の数字とアルファベット一文字が書かれている。おそらくそれが俺の座席番号だろう。俺は、隣に座っていた女性にそのチケット見せ、自分の座席を確認した。すると、最後部座席のようだ。すぐに移動し、指定されたシートに座りなおした。


最後尾の席から見た、出発前のバス車内の様子

バスが動き出した。“まだ半分ぐらい空席があるのに、意外と人気がないツアーだったのか・・・”と思ったや否や、5分ほどしてバスは停車した。そこは、このバスツアーの別の集合場所。大勢のツアー客が乗り込んできて、ほぼ満席になった。

再びバスは発車した。車内では男性スタッフが、インド訛りが強い英語で説明を始める。

“まずは、1時間半ほどかけてカーンチープラム Kanchipuram へ向かい、○○○ 寺院と○○○寺院へ行きます。その後に朝食です。朝食後に○○○寺院を訪問し、その後マーマッラープラム Mamallapuram へ向かいます。マーマッラープラム Mamallapuramu の後は・・・”

と、なんとなく言っていることがわかる気がしたが、それが正しいかどうかわからない。仮に、そのガイドの説明をを正確に理解できたとしても、ここインドでは予定通りに行くことは少ない。あまり気にせず、俺は車窓を眺めていた。

チェンナイ Chennai 市内は交通量も多く、道路もよく整備されている。しかし、ひとたび郊外に出ると、舗装されていない未整備の道路に出くわす。バスは上下にガタガタと揺られながらも、カーンチープラム Kanchipuram に向かって快走した。

朝早く出発したこともあり、またそのバスの上下運動が眠気を誘ってくる。外の景色を眺めていたが、いつの間にか眠ってしまったようだ。

1時間ぐらい寝てしまったのだろう。朝い眠りの中で、バスが右へ左へ小刻みに曲がる感触がした。目を覚まし外を見ると、小さな街中に入り込んでいた。カーンチープラム Kanchipuram に到着したようだ。


前の席に座っていた少年。カメラを向けると、とても可愛い笑顔を見せてくれた。



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Chandan
1971年生、東京都墨田区在住のインドマニア。初めてインドを一人旅してから、その魅力にハマっちゃってます。機械メーカーで営業をしながら、年に数回、休みを取ってインド亜大陸を旅しています。
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